三味線の発表会を終えて

わたしが所属する三味線の一門「朝川会」の舞台に出た様子をレポートします。
10月21日に朝川会「端唄三味線の発表会」がおこなわれました。
台風が二週続けて上陸・・・という時期で当日も雨でした。
実は、この朝川会の舞台は雨に見舞われることが多々ありまして・・・
一門の中にいるんでしょうか?雨に好かれている人・・・
それはともかく、当日はお足元が悪い中にもかかわらず、たくさんのお客様が来てくださいました。
本当にありがたいです。心より感謝申し上げます。
日ごろ、お稽古している成果を聞いていただくことは、ほんとうに励みになります。
会場は毎回、お世話になっている初台にある代々木能舞台。
都心にあって、大きい道路も近くにあるのにここだけは静か。
文化財にも登録されている舞台で、雰囲気があり、流れている空気もちょっと違います。
歴史ある能楽堂の舞台で演奏させて頂けるのは貴重な経験です。
《今回の曲目》
・梅は咲いたか
・猫じゃ猫じゃ
・春雨
・さのさ
・惚れて通う
・柳の雨
・木遣りくずし
・かんちろりん
・お互いに
一門から参加したのは、10名くらい。一人1~2曲ほど演奏させていただきました。
今回、私がご披露させて頂いたのは「惚れて通う」「猫じゃ猫じゃ」を弾き唄いで。太鼓で「春はうれしや」を、木鉦で「竹の踊り」の4曲でした。
「惚れて通う」
「惚れて通う」はしっとりした曲で、好きな人の元に通う女心を唄っています。
こんな唄です。
〽︎惚れて通うに なに怖かろう
今宵も逢おうと 闇の夜道をただ一人
先きゃ さほどにも思やせぬのに こちゃ、のぼりつめ
エェ、山を越えて逢いにゆく
どうした縁でかの人に 毎晩逢うたら嬉しかろ
じつ、どうすりゃ添われる縁じゃやら
じれったいネ
この曲のもとにもなった「惚れて通えば千里も一里」という諺があります。
好きな人のためならどんな苦労も苦にならない、という例えです。
これが都々逸になると「惚れて通えば千里も一里 逢わで帰ればまた千里」という歌詞になります。
好きな人に逢いたい、逢いたいと思って行く道は遠くても苦にならず、それどころかウキウキしながら行く道も楽しい。
反対に、逢えなかったときの帰り道は長く感じる。
昔は、現代のように便利な交通はなかったので、好きな人に逢いに行くのも時間が掛かります。まして、携帯やメールもありません。
とはいえ、人に対する思いは変わらないですよね。
「明日、17時くらいに渋谷でね。」
それだけLINEしても逢えちゃうのが現代ですが、今も昔も人に会うのにワクワクしたり期待したりするのは同じだな、って思います。
今、流行っているJ‐POPと江戸時代の端唄に共通点って多いのかも。
そういう部分を聞き比べるっていうのも、また面白いと思います。
実は端唄の方が、結構キワドイこと唄ってるんですけどね。
朝川会について
基本的には三味線弾き、自分で唄う、弾き唄いです。
朝川会では、主に「端唄(はうた)」をお稽古していただいていますが、長唄(ながうた)、小唄(こうた)、都々逸(どどいつ)などジャンルにとらわれず教えていただけます。
そして、三味線以外にも太鼓、鼓、笛などの鳴り物のお稽古もつけていただいています。
今回の舞台でも披露しましたが、朝川会では合奏もします。三味線、鼓、太鼓、鉦、笛などを入れて皆で演奏をします。
それもまた、にぎやかで楽しいのです。
(一人だと緊張しちゃうけど、大勢だと少し気がラクになる・・・というのはココだけのお話ですが。)
▼この時はわたしは太鼓を担当しました。師匠は右の方です。
自由に音楽を楽しく!というのが師匠の方針なので、ジャンルや流派にとらわれることなく教えていただける貴重なお教室です。
新潟を中心に活動されている朝川玲伎師匠。才色兼備の素敵な女性三味線奏者です。
東京へは月に1度の出稽古で。お稽古場は、主に東京都杉並区。
マンツーマンのしっかりとしたお稽古ですので、マイペースできっちりと上達することができます。
体験もできるそうですので、詳細、お問い合わせ、お申し込みは朝川会のホームページよりご連絡ください。
朝川会のホームページ
次回の舞台は2018年6月の研鑽会です。