「夏越の祓」とは?いつ行われるのか、どんなことをするのか丸分かり

6月の終わり、神社に突然巨大な輪っかが飾られているのを見かけたことはありませんか?
それが茅の輪(ちのわ)です。
主に神社で行われる伝統行事「夏越の祓」。なごしのはらえと読みます。
この行事は、この半年の心身の穢れを清浄な茅の輪をくぐることでお祓いするもので、疫病退散、無病息災の祈りを込めた神事です。
この「夏越の祓」の由来やお菓子について解説します。
夏越の祓の由来
この半年間の無事を感謝し、茅の輪をくぐることで心身のケガレをお祓いします。
そして、来たる下半期に向けて無病息災と幸運を祈るという伝統行事です。
この神事は、「備後風土記」に見られる蘇民将来(そみんしょうらい)の「茅の輪」を疫病除けのしるしとした、という伝承に由来するそうです。
「水無月祓」「荒和(あらにこ)の祓」とも呼ばれます。
茅の輪は成長力が強く、薫り高い茅(ちがや)は、生命力を促し、穢れを祓う力があるとされています。
茅の輪をくぐることによりケガレをお祓いし心身共に浄化される、と信じられています。
古くは、茅の輪を腰や首につけていましたが、時代を経て大きくなり、神社の鳥居などに取り付けるようになったそうです。
茅の輪くぐりのやり方
「茅の輪くぐり」の正式な作法は「八の字」をかくように回ります。
①輪の前に立ち、輪をくぐって左に回り、もとに戻って一礼。
②次は右に回り、もとに戻って一礼。
③再び左に回り、最後に正面に向かってくぐります。
輪を三回くぐりながら、
「水無月の夏越の祓する人は
ちとせの命延ぶというなり」
と唱えると良いといわれています。
(※地域や神社により違います。)
東京の赤坂氷川神社、京都の八坂神社などが有名です。
地元の氏神様の神社でも執り行われていると思います。
時間もかからずにできる行事なので、仕事の合間や散歩の際にお参りしてはいかがでしょうか?
ぜひ茅の輪くぐりをして半年の厄落としと、次の半年に備えて無病息災をお祈りしてみてください。
下半期の運気アップするかもしれませんよ。
氷川神社
所在地:東京都港区赤坂6丁目10-12
創建:951年(天歴5年)
主祭神:素戔嗚尊、奇稲田姫命、大己貴命
アクセス:東京メトロ千代田線「赤坂駅」、南北線「六本木一丁目駅」など


八坂神社
所在地:京都市東山区祇園町北側625番地
創建:656年
主祭神:素戔嗚尊、奇稲田姫命、八柱御子神
アクセス:京阪祇園四条駅より徒歩5分または、JR京都駅より市バス206番祇園下車すぐ


続いて、夏越しの日に食べたいお菓子もご紹介します。
「水無月」とは?
京都ではこの日に水無月(みなづき)というお菓子を食べる風習があります。
水無月は白い外郎生地の上に小豆がのった三角形のお菓子です。この時期、だいたいの和菓子屋さんに置いてあります。
この時期に水無月を食べる理由は、厄除け祈願といわれています。
水無月に使われる小豆には食べれば悪魔や穢れから身を守ると信じられています。
そして、その形は三角形をしていて、鱗(うろこ)だと言われています。鱗には厄除けの意味が込められています。
(暑気払いの氷を模しているという説もあり)
小豆の栄養はかなり豊富で、スーパーフードとも言えます。
ごぼうの3倍の食物繊維が、さらに、赤ワインの1.5倍のポリフェノールが含まれています。
体の中の水分代謝を良くするカリウムの働きによりむくみや下痢の症状を和らげることができます。
食べると心穏やかにストレスを改善する効果があるといわれています。
もちもちした食感と、あずきの甘さがたまりません。見た目も三角形で可愛らしいし、涼やか。
私も大好きなお菓子です。(#^.^#)
食欲が落ちがちな真夏を迎える前に、小豆は美味しくて貴重なエネルギー源になります。
美味しくて体にもよく、厄除けもできる小豆はまさに、夏越の行事に欠かせない開運スイーツなのです。
手作りしたい方のレシピはこちら→
【6月の薬膳】和菓子 水無月(みなづき) by BUYDEEM_JP
水無月に合わせたい抹茶
さて、美味しそうな水無月と共に抹茶はいかがでしょうか?
水無月は、思いのほかボリューミー。甘い小豆と、外郎の組み合わせなのでそれなりにどっしりします。
なので、おすすめの抹茶は少し苦味を感じられ、アッサリと口当たり良いものが合うかと思います。
例えば、丸久小山園「又玄」などはいかがでしょうか。
すっと飲みやすく、少しの苦味を感じる。
オーソドックスではありますが、水無月のようにボリュームがあり、甘味がダイレクトなお菓子には合うかと思います。
いかがだったでしょうか?
夏越の祓にあわせて水無月を食べて厄除けと無病息災を祈り、残り半年も元気にお仕事頑張っていきましょう!