【12月14日 能鑑賞】正直、怖くてゾッとしました。

今回のお出かけ勉強会は能楽の鑑賞をしていきました。

 

青山の銕仙会の能体験をさせていただいたご縁で、実際の能楽を観てみることに。

 

私も生徒さんも初、能楽。

難しそう・・・寝ちゃったらどうしよう・・・などと、ちょっぴり緊張&不安気味。

 

水道橋の宝生能楽堂へ到着。

いよいよ中へ。

清廉とした気が流れていて、とても厳かです。

 

座席はシート席。ゆったり腰掛けられます。

 

 

今回の演目は

鉢木」

福の神」

葵上」

 

 

 

この日の演目の中で興味深かったのは「葵上」。

言わずと知れた源氏物語を題材にした能です。

 

六条の御息所が、光源氏に想いを寄せるあまりに「生霊」となって光源氏の正妻・葵上を苦しめる、というところから始まります。

鬼女に化してしまった六条の御息所。

「憎し、葵上!」

と病床に伏す葵上を苦しませます。

 

このままでは命までも危くなった時、徳の高い高僧の加持祈祷により六条の御息所の怨念は鎮まる。

そして葵上は快復する、というお話です。

 

六条の御息所が主役、と言っても良いほどの存在感です。

最初は普通の面(おもて)で出てくるののですが、生霊となって現れる場面では恐ろしい般若の面に変わります。

狂女となってしまった嫉妬や執念、女の情念が、激しい感情の高ぶりが表現されます。

正直、怖かった・・・
子供が観たら泣いちゃうかも。っていうくらい怖くてゾッとしました。

恨みごとを言う場面なんか、本当に怖かった。源氏、頼むよ~、って思いましたもの。

六条の御息所という人は、知的で高貴な女性なんですよね。登場してくる場面なんかも品格がある。
でも、光源氏が大好き過ぎて生霊となってしまった・・・

 

ちょっと切ないんだな。

そのギャップの差が激しくて、人間の情念の激しさや女の悲しさみたいなものがをより強く感じましたし、エンタテイメントとしても面白かったですね。

 

ちなみに、六条の御息所の装束が「うろこ柄」でした。
これは、女の執念を表しているともいわれているようです。

 

 

 

 

能・・・スリ足でゆっくりと動き、難解なことばで静かに始まり静かに終わっていくもの。

と思い込んでいたんです。

 

実際に生で見ると私の先入観は覆されました。

 

 

役者さん、笛、鼓、謡が一体となり時に激しく、時に厳かに物語が紡ぎだされていきます。

エンターテイメント性もあいまって、飽きることなく世界に没頭することができました。

 

 

確かに、役者さんの発する言葉は難しくて分からないのですが、謡本という歌詞カードのようなものを見たり、あらすじを解説したものを読みながら鑑賞するとだいたい分かると思います。

 

 

 

 

 

 

 

古語だし、大げさに言っている部分もありますが、総じて日本語が美しい。

語感が柔らかく、流れるようで聞いているだけでこころの琴線に触れるような響きでした。

 

楽器は、笛と大鼓と小鼓しかないのですが「カーン」と響く音や、「ポンッ」というスキッとした音、「いよー」という掛け声が派手ではないものの、喜怒哀楽の全てを表現しているかのようでとても深いものを感じました。

 

 

 

 

初能体験でしたが、感性が刺激される時間でした。

自分のなかの新たな扉が開かれたような、そんな感覚でした。

 

ちえ蔵
  • ちえ蔵
  • 1979年宮城県生まれ。10代の頃より日本文化に魅了され、特にきもの愛が止まらなくなり和裁士となる。30歳で経験した極度の体調不良により健康や食の大事さに気付く。現在は、日本古来の食養生を多くの女性に伝えるため活動中。趣味は三味線を弾き唄うこと。愛猫家。猫グッズには目がない。

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