着物警察に出会ってしまった時の対処法

 

「着物警察」とは?

 

着物警察とは、ここ10年位で言われるようになったワードです。

中高年女性のグループが多く、和服の正しいルールを教えることに使命感を持っている人たちのことを総じて着物警察といっているようです。

 

何が“警察”といわれる所以なのか。

 

着物で出かけた先で突然、「あなたの着物(着方)は、間違っている!おかしい!」と公衆の面前で注意される。

注意だけならまだしも、「みっともない!もっと勉強しなさい!こんな風に着ちゃダメよ!」と罵倒されることもあるとか・・・

さらに、勝手に手を突っ込まれて着付けを直されたりもするらしいです。

 

公衆の面前で否定されるのだから、これはどうかと思いますね。

 

着物警察の主な出没エリアは歌舞伎座、お茶会、国立劇場などの劇場、銀座のデパートなど、、、街の至るところで目を光らせているようです。
着物警察にとってのルール違反は多岐にわたります。例えば、

着物の寸法があっていない(長い、短い)

季節に適していない

帯の形がきれいじゃない

足袋の色、履物の種類、半衿の布地がルールに則していない

 

特に、TPO=場と着物がふさわしくない、ということに厳しくなる傾向があるようです。

 

それと季節

この着物の季節はいつで、〇月〇日から〇月〇日まで着てよろしい、という絶対ルール。

 

ちょっと個性的な着方をしている女子も標的にされやすいようです。

衿にレース、帽子やパンプス、手袋など、教科書に載っていないような着方は、もってのほかのようです。

 

「伝統が壊れる!」

と言いたいのでしょうか。

 

 

なぜ着物警察になってしまうの?

 

和服が「ツネ着(常着)」だった時代、普段着ですから普通に料理や買い物、旅行にだって行っていました。

職業や身分によって着るものや着方も違たものの、ルールもなく、人それぞれみんな自由に着ていました。

 

戦後、日本人の着るものは和服→洋服に変わり、結婚式やお祝い事などの特別な時にしか着ない特別な「ハレ着(晴れ着)」になりました。

 

昭和30年~40年代に大手の着付け教室が出てきて、和服を着ることは花嫁修行や女のたしなみのようになり、TPOだの、季節だの、寸法はどうのというルールが言われ始めました。

 

教室では太鼓の形はこうとか、垂れの長さは〇㎝とか、おはしょりの長さは〇㎝ないとダメ!とか、こと細かにきものマニュアルが存在します。

 

そこから、和服は教科書通りに着ないとダメで、そこから外れると認めないという空気になっていき、ルールや型を重視する一部の人たちが「私たちが正しいことを教えてあげよう」というお節介心から着物警察となってしまったのではないでしょうか。

 

着付け教室を否定するわけではありません。教室に通う人全員が着物警察のようになるとも思いません。
彼女たちの言っていることは間違っていなのでしょう。

きっと、「こうすればもっと素敵になるのに。」という優しい気持ちが根底にはあると思うんです。

 

そもそも、公衆の面前で見ず知らずの他人に間違っているだの、みっともないだの言って良いわけがありません。

 

そんなこと言われた本人は、確実に傷つくのは想像できます。

こんな嫌な思いするのだったら、いっそ和服を着て出かけるのはやめようと思うでしょう。

 

そして、和服を着る人がいなくなります。

いづれ伝統も終わってしまいます。

 

私たちが正しい!とばかりに上から目線で口撃するなど、もやは言葉の暴力。

正しいことを言っているのかもしれないけど、品が良い行動とは思いません。大人の女性なら、そっと進言してくれるのがマナーなのではないでしょうか。

 

確かに、私もある程度の知識はあった方が良いと思いますが・・・

TPOのマナーは本来、相手のことを思いやることなので、マニュアルばかりに縛られるのは本末転倒。

お相手に恥をかかせるものではありません。

着物警察に遭遇したら

 

もし、不運にも着物警察に出会ってしまったら、

笑顔で「ありがとうございます。」とだけ言ってすぐに立ち去るのが最善の策です。

反論もしない。謝らない。受け入れもしません。

すぐに忘れてしまいましょう。
なぜなら、着物警察との議論は無意味だからです。

上記にもあるように、彼女たちなりの「正義」があるので、反論しても平行線のままだからです。

 

だから、もし、着物警察に遭遇してしまったら

そうなんですね、知らなかったです。教えていただいてありがとうございます。」

と笑顔でさらりとかわすのが、賢い対処法です。

 

 

ただ、和裁士歴20年、呉服店に10年勤めていた私の意見ですが、これだけは言えます。

きものは自由で良い。着る本人が幸せであれば良い。きものに正解、不正解はないんです。

だって、着ていて何か迷惑かけてます?着物警察の皆さんの方がよっぽど、迷惑かと思います!

ちえ蔵
  • ちえ蔵
  • 1979年宮城県生まれ。10代の頃より日本文化に魅了され、特にきもの愛が止まらなくなり和裁士となる。30歳で経験した極度の体調不良により健康や食の大事さに気付く。現在は、日本古来の食養生を多くの女性に伝えるため活動中。趣味は三味線を弾き唄うこと。愛猫家。猫グッズには目がない。

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